林間学校からの帰り道、僕は自動販売機でジュースを買って戦争に協力した。
  僕が自動販売機に入れたお金は、飲料水の会社の収入となる。その会社が納税をすれば、それは直接的に戦争に使われるし、配当を受け取った株主がその金で軍需産業の株を買うかもしれない。あるいは、飲料水の工場に勤務するパートタイマーが、掛持ちで缶詰工場で働いていて、そこの缶詰が戦場に送られているかも。他にもいくらでも、僕と戦争の接点は考えられる。この戦争で放たれた何千何万という銃弾のうちの一発は、僕が払ったお金で作られているに違いないのだ。
  校長があれだけ「普段どおり」を強調する理由が、僕にはやっと分かった。普段どおりの生活をすることこそ、戦争に対する最大の協力なのだ。
  僕は缶を傾けてのどの渇きを潤した。いつもと変わらぬ、コカ・コーラの味がした。

    

 

 


 

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