それからのことは、よく覚えていません。警察が来るまで、誰も近寄らなかった気がするな。後のことは、あなたの方が詳しいんじゃないですか。刑事さん?

  

  それにしても、人間というのは不思議なものですね。なんだか私には、こうなることが最初から分かっていた気がします。
  人間にはそういう時がありますよね。刑事さん。原因が分からないのに結果が分かる。理由が分からないのに結論は決まってる。中には、解法より先に正しい解答を導いてしまう天才もいるそうです。
  それでも実際にやってみるような馬鹿は、私しかいない、ってことですか、刑事さん。
  でも、物理的にはできないはずがないんですよ。末端の自衛官が団結すれば、この国を支配するのはたやすい。そうならないのは、やろうとしないからです。なぜ、やろうとしないんでしょう。やった方が、絶対に得なのに、です。
  国民も国民ですよ。もっと、自衛隊を紐でつないでおく努力をすればいいんじゃないですか。たとえば、戦闘機に搭載する電子機器を最低限のものにして、地上からの支援なしでは何もできないようにする、とかね。ソ連や北朝鮮のように。

  

  それにしても、人間が人間を滅ぼす力を得てから半世紀近くになりますが、ここまでよく人間は生き残れたものですよね。
  不思議でしょう? やっぱりあるんですよ。透明な力。

 

 


 

ご読了、ありがとうございました!

 

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