キーボードは「FILCO Majestouch2」

一太郎、ATOKと立て続けにソフトウェアについて紹介してきたが、ここらでハードウェアについても取り上げておこう。

 

小説を書く上で一番重要なハードウェアといえば、もちろんキーボードだ。快適なキータッチは長時間の執筆を可能にするし、打っているだけで楽しいキーボードというのは、それだけで執筆に対する気持ちを前向きにしてくれる。

 

で、私が使っているキーボードは「FILCO Majestouch2」という製品である。この名前は、FILCOという会社が作っているMajestouchシリーズの二代目という意味だ。

 

このキーボードの特徴はというと、まず第一に「メカニカル」と呼ばれる形式であることだ。

 

ここで、キーボードに詳しくない人向けに解説しておくと、キーボードのキーの構造には大きく分けて四つの形式がある。

まず、一般的に安価に流通しているのは「メンブレン」と「パンタグラフ」の二種類だ。この二種類は要するに「安かろう悪かろう」だと思ってもらって構わない。

 

普通の人なら別にそれでいいのだが、もしあなたが、キーボードをたくさん使う仕事ないし趣味を持っているのなら、お金が貯まり次第、できるだけ早く、より高価ではあるものの優れた性能を持つキーボードに買い替えることをおすすめしたい。

 

で、そんなおすすめのキーボードの形式が「メカニカル」と「静電容量無接点方式」と呼ばれるものである。この二種類のどちらかを採用しているキーボードが「高級品」であると思ってもらっても、とりあえずはいいだろう。

 

ただ、実際のところは「メカニカル」と「静電容量無接点方式」の間には大きな差があって、一般的には後者の方がより優れていて、その分高価である。

 

「静電容量無接点方式」を採用しているキーボードと言えば、東プレという会社が製造している「REALFORCE」シリーズが有名だ。同シリーズは金融機関でも広く使われているほど信頼性と使いやすさに定評があり、誤解を恐れずに言えば「キーボードの世界の王様」的な存在である。

 

どういうキーボードかというと、私も店頭で試用しただけではあるのだが、まずキーを押している時に「押している」という感覚がほとんどない。指に力を入れると「すーっ」と、まるで天空の城ラピュタのラストシーンで動き回る謎の立方体みたいに、自然とキーが沈んでいくのである。一度体験すると「なるほど、この独特の感触は、他の製品にはないな」と納得してしまう。たぶん、一度慣れると、病みつきになってしまうのだろう。

 

キータッチが気持ちいいだけではなく、構造的に故障が起こりにくい仕組みのようで、その点も大きなプラスポイントだと言える。

 

ただ、そのぶんREALFORCEは高価で、大体20000円ぐらいする。キーボード一台にいきなりそれだけの投資をするのは、ためらう人が多いだろう(かくいう私もその一人だった)。

 

で、そんな人にとっておすすめなのは価格性能的に「安かろう悪かろう」と「最高級品」の間に位置する存在である「メカニカル」形式のキーボードだ。

 

メカニカル形式は、キーの内部に埋め込んである軸の種類によって色々な派生型があり、それぞれ「茶軸」とか「赤軸」とか呼ばれていて、キーを押す時に感じる重さや質感、出てくる音などが違っている。

 

私が愛用しているのは「青軸」と呼ばれるタイプだ。これは、キーを押すのに必要な重さがとても軽く、打つ時に「カチャカチャ」と景気の良い音を立てる、という特徴がある。

 

どうしてこのタイプを選んだかというと、まず、私はキーは軽い方が好みであるということ、音もある程度は派手な方が好みなこと(幸い、私はキーボードで音を立てても怒られない環境にいるが、そうでない人は気をつけた方がいいかもしれない)などが理由だ。

 

ただ、最大の理由は、このFILCO Majestouch2という製品の「スペース(Space)キーが通常より横に長いこと」である。この長いスペースキーの押しやすさに慣れてしまうと、他の製品にはなかなか移れない。これはREALFORCEにもない、Majestouch2の最大の特徴だと個人的に思う。

 

それから、もちろん価格のこともある。先述した通りREALFORCEが20000円ぐらいするのに対し、メカニカルキーボードは10000円ぐらいから買える。コストパフォーマンス的には十分だと思う(ただ、私が買った時と違って最近は円安が進んでいるせいか、メカニカルとREALFORCEの価格差が縮まってきているようなので「あと少し上乗せすればREALFORCEが買える」という状況も生じているみたいで、また事情が違うかもしれない)。

 

……まあ、昨今では格安キーボードが市場に溢れているので「10000円でも高い」という人も多いとは思うが……気合いを入れて執筆に取り組むにはいいと思うのだが、いかがだろうか。

 

あ、ちなみに、Majestouch2はキーボードの厚みが1cmぐらいあって、そのままでは手を浮かせないとタイピングができないので、私はパームレスト(手のひらを置く器具)を愛用している。材質が柔らかいものを使っていて、とても快適だ。

 

キーボードに関しては、是非、機会があったら、都市部の大型家電量販店(おすすめはヨドバシカメラ。ラインナップが充実している)に入って、キーボードのコーナーを訪れて、実際に触って確かめて欲しい。

 

REALFORCEの柔らかさには驚かされるだろうし、メカニカルキーボードが軸の種類によって全く違うことも、きっと興味深く感じられるはずだ。パームレストのような器具も、併せて試用してみるといいだろう。

 

 

最後に、親指シフトキーボードと呼ばれるものについても軽く触れておきたい。親指シフトキーボードに関しては、私も話を聞いて店頭で実在を確かめた程度なので、あくまで伝聞情報が多くなってしまうが、知っておく価値があると思う。

 

この親指シフトキーボードというのは、キーの構造が異なるとかいう話ではなく、そもそもキー全体の配置が異なっている。

 

何でも、一般的に使われているキーボードが元々英語の入力をやりやすくするように考えられたキー配置になっているのに対し、この親指シフトキーボードというのは、日本語の入力がやりやすいよう考えられて作られたものなのだそうだ。

 

大まかに言うと、親指シフトキーボードは、普通のキーボードのスペースキーが左右二つに分割されたような外観をしている。この二つに分割されたスペースキーが「親指シフトキー」ということになる。

 

ご存知のように、普通のキーボードは、おおむねアルファベット2~3文字を打つことによって、一文字のひらがなを表現するようにできている。

 

これに対し親指シフトキーボードは、この親指シフトキーを活用することによって、全てのひらがなを一回の打ち込みで表現できるように作られているのだそうだ。

 

なるほど、それは聞くだけで効率的そうである。実際、使用者に話を聞くと「ものすごく快適だ」といった声が得られるらしい。

 

と、このようになかなか興味深い親指シフトキーボードなのだが、実際に使っている人はものすごく少なく、製品自体も、需要が少ないためか、かなり高価だ。使い方を学習する手間もあるわけだから、購入にはかなり勇気が必要なのも、また事実だろう。

 

ただ、知っておくだけ知っておいても損はないかな、と思ったので、ここで紹介させてもらった。

 

 

その他の細々としたものについて

その他の執筆環境としては……まず、プロットや設定集を書く際には、クラウド形式のメモソフトを使っている。ただ、これはいま色々と試している最中なので、詳しく紹介できる段階にはない。

 

また、執筆データをメインPCとサブPCで同期させるために、クラウドストレージサービスも使っている。

 

ディスプレイに関しては、23インチのフルHDディスプレイと、21.5インチのフルHDよりやや解像度が足りないディスプレイの二台を使っている。メインディスプレイはA4横組みが一分の一サイズで余裕で収まり、割と気に入っている。サブディスプレイでは、ネットを検索して執筆しながら必要になった情報を集めたり、プロットを表示させたりしている。

 

キーボードに比べると、マウスは特に重要ではない。普通のゲーム用マウスを使っている。

 

あとは……執筆中はよく音楽を聴いていること、だろうか。書いている作品にあった音楽を選ぶことが、モチベーションを保つ上で、個人的にはけっこう重要だったりする。ヘッドセットは、普通のゲーム用のものだ。

 

いよいよ最終回

今回は何となく物持ち自慢みたいになってしまった。

 

言い訳をすると、私もこれだけの環境を短時間にえいやっと揃えたわけではない。大体5~6年ぐらいかけて少しずつ揃えたものなので、これから環境を整えようという方も、そうやって少しずつ足りないものを揃えていけばいいと思う。

 

さて、この小説講座も、色々と書きたいことは一通り書き終わった感じがする。次で最終回とすることに対し、あまり未練はない。

 

次回は、これまでの内容を振り返って、反省会などをしたいと思う。

 

では、また来月。

 


 
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