kinds_of_impressionsこのふざけた小説講座もついに三回目となってしまった。

 

今回のテーマは「読前感、読中感、読後感について」である。見慣れない単語の中に見慣れた単語が混ざっていてものすごい違和感があるかもしれないが、なにせこの連載なものだから……

 

 

まずは用語の定義から

というわけで、まずはこの見慣れない単語の定義をしないと何も始まらない……とはいえ、漢字というのは便利なもので、読んで字のごとく、大体の意味は分かってもらえると思う。

 

・読後感 … 小説を読んだ後の感想

・読中感 … 小説を読んでいる最中の感想

・読前感 … 小説を読む前の感想

 

といったところだ。

 

……しかし、今回の講座では、もう少し踏み込んだことを考えたいので、単語の定義を、それに合わせて少々狭めたいと思っている。

 

三つの語の意味は、いずれも「感想」という単語が共通している。だが「感想」という言葉の意味するところは、あまりにも広い。特に今回の場合「感想」が一次元的に表現できない点が、少々都合が悪い。

 

一次元的に表現できない、とは我ながら持って回った言い方だが、要するに、私は今回、話を単純にするため「感想」をある種の「点数」として扱いたい。

 

普通「読後感が最高」と言っただけでは、その小説が本当に最高かどうかは分からない。小説の感想など人によって異なるし、同じ人でもその時の気分によって「いつもは純文学好きな俺だけど、今日だけはラブコメが読みたい」「最近SFを読んでないから、今日はSFを読みたい気分だ」なんて具合にころころ変わるからだ。

 

だから「この小説は百点満点で言うと九五点ですね」とかいう発言ほど胡散臭いものはない。

 

……わけなのだが、今回だけはこの「感想を点数として扱うこと」をOKとしたい。そうやって単純化することで、見えてくるものもあるかもしれない、と思うからだ。

 

これを踏まえて、主題の三単語を、以下のように定義し直したい。

 

・読後感 … 小説を読んだ後の「(この小説を読んで)良かった」感の強さ

・読中感 … 小説を読んでいる最中の「続きが読みたい」という期待感の強さ

・読前感 … 小説を読む前の「読みたい」という期待感の強さ

 

このように「~の強さ」と表現することによって、単純には比べられない「感想」を単純に「強い・弱い(良い・悪い)」と評価することが可能になる。

 

前回の記事「小説を書く上で目指すべきものは何か?」では「読者に「読みたい」「読んで良かった」と思わせること」が大事だと結論づけた。

 

これを先ほどの言葉で言い換えると「小説を書く上で目指すべきこととは、読者の読後感、読中感、読前感を最大化することである」となる。

 

その上で、今回は「読後感、読中感、読前感とは何か」とか「読後感、読中感、読前感の間の関係性」とか「読後感、読中感、読前感を高めるにはどうすればいいか」といったことについて考えてみたい。