ある国で、銃を使った無差別殺人事件が発生し、国中が悲しみに暮れる中、大統領が議会で演説した。

 

「皆さん。またしても、またしてもこのような悲しい事件が起き、多くの尊い命が失われてしまいました。残念でなりません。私は今、犠牲者と遺族に心からの哀悼の意を捧げたいと思います」

議事堂に、沈痛な溜め息が漏れた。

「さて、我が国の銃規制には色々な議論があります。一方には、こうした事件を防ぐために銃規制を厳しくする方が良いという声。もう一方には、むしろこうした事件を防ぐには、銃で武装した善良な市民に頼る方が良いという声。どちらにもうなずける点があり、すぐには決められない問題です。ですが、一つ言えることがあります。銃規制賛成・反対どちらの立場に立つにせよ、もし、この事件で使われたのが、銃ではなかったなら、犠牲者の数はずっと少なくて済んだはずだということも、一面の事実なのです。そこで、私は以下のような提案をします」

議員達は、息を呑んで大統領の次の言葉を待った。

 

「私たちは、今こそ子供達に教育せねばなりません。無差別殺人をする時は、銃ではなくナイフを使いましょうと!」

 

~完~