ある出版社の会議で、こんなことが起きた。



Xという編集者の企画に、Aという編集者が異議を唱えたのだ。


「この企画は差別的です。出版すべきではありません」


Xはこれに反発し、会議は激しい論争の場となったが、結局、Xの企画は通った。


会議が終わった後、Xは仲の良い同僚にこう語った。


「やれやれ。最近は差別本が売れ筋だっていうのに……Aみたいなやつがいたら、会社が潰れてしまうよ」


そして、Xは言った。


「地獄への道は、善意で舗装されている、ってやつだ」


その後、Xの出した本は大ヒットし、Xは社内で表彰を受けた。


その表彰の場で、Xは言った。


「ありがとうございます。私の力で会社の業績に貢献することができて、とても誇らしいです。これからも、会社のみんなの役に立てるよう、頑張っていきたいと思います」


表彰を見ていたAは、後に、仲の良い同僚にこう語った。


「やれやれ。会社のみんなの役に立てるよう頑張ります、とはね……Xみたいなやつがいたら、会社が潰れてしまうか、さもなきゃ、国が潰れてしまうよ」


そして、Aは言った。


「地獄への道は、善意で舗装されてる、ってやつだ」