某国の軍隊は極秘裏に、幽霊と交渉して兵隊になってもらうという「ゴーストソルジャーズ」プロジェクトを推進していた。

 

そんなある日、プロジェクトリーダーである将軍の下に、研究者が興奮した面持ちで押しかけてきた。

 

 

研究者「やりましたよ! 将軍!」

将軍 「え? 何が?」

研究者「幽霊とコミュニケーションをとり、彼らの意思を知ることに成功しました」

 

将軍は当初は半信半疑だったが、その後の研究者の時間をかけた説明によって、どうやら事実であるらしいと判断するに至った。

 

将軍 「しかし、いまだに信じられんな」

研究者「何がですか?」

将軍 「だって、幽霊が実在するとは……」

研究者「将軍」

将軍 「ん?」

研究者「国家の政策に疑問を抱くのは叛逆的ですよ?」

 

将軍はそれには答えず、話題を変えた。

 

将軍 「……それで、幽霊の意思というのは、どんなものなんだ」

研究者「お喜び下さい。彼らは、一定の条件の下でなら、我が国のために戦ってくれると言っています」

将軍 「おお、それは素晴らしい! それで、一定の条件というのは?」

 

将軍は若い頃に新兵の募集に携わったことがあった。その時の経験で知ったのは、いかに国を守る軍隊といえど、しっかりと環境を整備してやらねば、優秀な志願兵は集められないということだった。上等な食事、居心地の良い兵舎、手厚い福利厚生、それなりの給料、といったものだ。

しかし、幽霊がどういう条件を望んでくるかなど、将軍には皆目見当もつかなかった。

そして、研究者は言った。

 

研究者「なーに、簡単な話ですよ。彼らは、国内各地に大聖堂を整備してくれと言っています」

 

将軍は耳を疑った。

 

将軍 「……なんだと?」

 

しかし、研究者はこともなげに言う。

 

研究者「何せ、彼らは幽霊ですから。普通の人間と違って衣食住の欲求がなくて、その割りにプライドばかり高いのです。昔から幽霊と言えばそんなもんだと、相場が決まってますからね。ですから、大聖堂です。しかも、大量の」

 

某国は、建国して三百年にも満たない若い国で、教会ぐらいなら多数あるものの、そういえば大きな聖堂は数が少なかった。

将軍はそれを聞いて頭を抱えた。

 

将軍 「し、しかし……それでは、下手をすると生きている兵隊よりも高く付くぞ」

研究者「ああ、そういえば、彼らはこうも言ってましたよ。生きている兵隊をたくさん死なせれば、大聖堂の建設も進むんじゃないですか、とかなんとか」

将軍 「」

 

 

~完~

 

*あとがき:朝ドラ「あまちゃん」の影響で静かな再ブームが起きている映画「ゴーストバスターズ」に触発されて書いちゃいました

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