a0002_005803私、昔から「言い訳をするな!」というのが理解できんのですよ。
合理的ではないと思うのですね。失敗した原因を自己分析して上位者に報告することの何が問題なのかと。上位者がその分析が不適当だと思うなら「人のせいにするな!」とか「お前の認識が甘かったんだよ!」とか、他にいくらでも具体的で適切な指導の仕方があると思うのです。それを「言い訳をするな!」ってどういうことやねん、と。



思うに「言い訳をするな!」というのは、組織内政治の都合で報告者に責任がなければ困る状況で上位者が発する言葉だと思うのですね。故に組織内政治なんてことをやってては組織外からボコボコにされてしまう現代においては、おっそろしく不合理で自滅的な言葉だと思うのです。

 

というわけで、今回、私は言い訳をします。何に対する言い訳をするかというと、もちろん、締切をぶっちぎってしまったことに関してです。

 

 

で、なんでチミは締切を破ったのかね?

えー、順を追って説明しなければなりませんね。

 

私もねー、できるならプロになりたいと思ってるんですよ。何のプロって、小説のプロですね。

ええ、分かります。プロ志望が締切ぶっちぎっていいのか、とお考えですね。でもまあ、それは置いておきましょう。

 

小説の場合、プロになるには作品を新人賞に送って入賞してデビューというのが一般的な方法です。私もですね、この新人賞に送るための長編小説を、頑張って書いてたのですよ。

もうおわかりですね? この長編小説にかまけてて、月例小説の締切をぶっちぎってしまったのです。


a0001_003080しかも、長編小説を締切どおりに送ってからしばらく、すっかり燃え尽き症候群に陥ってしまい……いえ、これを書いている今も、なんか燃え尽きちゃって何にもやる気がしない状況なんです。

 

うん……はい、すいません。私が悪くないとは言いません。悪いのは私なんです。締切破ってすいませんでした。


 

それで言い訳のつもりかね?

でもね、これを書いてどれだけの人が分かってくれるかは怪しいものですけど、小説っていうのは、書きたくない時に書いてもだめなんですよ。書きたいものを、書きたい時に、書きたいように書くのが、結局は一番なんです。

 

新人賞に送った長編小説。私はあの時、マジで夢中になってあの小説を書いてたんです。昼間、突然狂ったように笑い出したりするぐらい、あるいは、宴会の席で、前からちょっと気になってた女の子に話しかけられても、気のない返事しかできず「ごめん、いま頭の中、小説のことで一杯で、他のこと考えられないんだ」なんて言い放っちゃうぐらいに(いや、確かに、気がついたら別の女の子を口説いていたりしましたが(汗)……)。

 

月例小説の締切が大事じゃないとか、大事の前の小事とか、そういうことが言いたいわけじゃないですよ?
ただ、あの時の自分は、あの長編小説が書きたくて書きたくてたまらなかったのです。他のことなんか、頭に入らなかったのです。

 

a1180_005162だからね、月例小説の締切をぶっちしちゃったことを後悔してるかっていうと、全然してないんですよ。いや、もちろん、月例小説もいつもどおり15日に上げられたらベストだったなとは思いますけど、でも、あの時の自分を支配していた気分とか、心の高ぶりとかを考えたら「まあ、しょうがないよな……」ぐらいには思えてしまったり。ドラえもんが、しょっちゅう問題を起こすのび太くんを結局は許してしまうみたいな。

ええっと、よく謝罪マニュアルみたいなのにはありますよね。間違いを犯してしまったら、謝罪し、説明するだけでなく、再発防止策を講じて、関係者に説明すること、と。
こと今回に限っての話ですが、再発防止策は「ありません」。私は、また同じ状況にぶつかったら、同じことをすると思います。
でもそれは、私にとって必要なことなのです。

 

会社でも、コスト削減だからといって、安全性に関わる部分までは省略したりしませんよね? それは、製品が安全でなくなったら、製品を売る意味がそもそもなくなってしまうからです。そのせいで会社が潰れるなら、それはそれで仕方がないことなのです。

 

私も同じように、書きたいものが書きたいように書けなくなったら、そもそも小説を書く意味がなくなってしまうのです。だから、もちろんできるだけこのようなことがないように努力はしますが、しかし、時と場合によっては、今回のようなことはこれからも起こると思います。そのせいで私の小説家としての評価が下がるなら、それはそれで仕方がないことです。甘んじて受け入れましょう。

 

って、最後は開き直りかい!

いやー、すがすがしいほど不合理で自滅的な言い訳でしたね!
読者の皆さんには、これで楽しみが一つ増えたわけです。つまり、この神無悠樹が締切をぶっちぎる度に、奇妙奇天烈な反省文が読めるわけです。いやー、我ながら商売が上手いな。
(たぶん無理だろうけど)では、もう二度と言い訳などしなくて済むように、アディオス(永遠のサヨナラ)!