640px-Roundel_of_the_USAFというわけで、各国の主力戦闘機を大雑把に紹介するシリーズ第二弾は、アメリカ編です。

 

アメリカ空軍機はもちろん、アメリカでは海軍や海兵隊もそれぞれ「海軍航空隊」「海兵隊航空団」という形で戦闘機を保有しているので、こちらも合わせて紹介します。

 

本当は攻撃機なども含めて二回に分けて解説したいぐらいなのですが、都合により一回で済まさなければならないので、ここでは戦闘機、それも主力戦闘機に限って紹介したいと思います。

 

 

F-15

640px-Defense.gov_News_Photo_060912-F-7194F-089アメリカ空軍が運用しているF-15C/Dは、前回の「日本編」でも登場した「F-15J」とほぼ同様の機体です。なので、機体解説はそちらの方を参照してもらうことにして、ここではアメリカ空軍ならではの事項を二つほど。

 

まず、日本ではまだまだ現役のF-15ですが、アメリカ空軍では早くも退役が進んでいます。空軍州兵を除くと、在日米軍と在欧米軍に一個飛行隊ずつを残すのみです。

 

606px-McDonnell_Douglas_F-15E_Prototype_060905-F-1234S-025次に、攻撃機型のF-15Eの存在。大柄なF-15を元にした攻撃機ということで、長距離侵攻しての対地攻撃任務に秀でた機体となっています。

 

なおF-15は「イーグル(鷲)」という勇ましい愛称をつけられています。アメリカ軍を始め外国の軍隊は、愛称をつけるのが好きなようです。

 

F-16

464px-F-16C_Fighting_FalconF-16は、F-15と並ぶアメリカ空軍の主力戦闘機です。F-15がかつて「質」の面で主力を張ってきたのに対し、F-16は昔も今も「量」の面での主力と言っていいかもしれません。

 

F-16はF-15と比べるとかなり小柄な戦闘機です。その分、兵器の搭載量などでは劣るのですが、身軽な機体を利用した運動性能では引けを取りません。また、コストが安かったのも見逃せないポイントでして、数の上での主力の座を勝ち取ったのはこのためです。

 

またF-15は(大気密度が濃いので)空気抵抗が強まる低空では運動性能が落ちるのに対し、F-16は小柄で空気抵抗が少ないことから低空での運動性が高く、このこともあって、対地攻撃機としての運用もされています(というか、最近ではこちらがメインかもしれません)。

 

そんなF-16はまだしばらく現役を続行する構えの模様でして、2025年までは現役にとどまるのではないかと見られています。

ちなみに、F-16の愛称は「ファイティング・ファルコン(戦う隼)」です。なぜ「ファルコン」ではないのかというと、商標上の問題だそうです。

 

F-22

640px-90th_Fighter_Squadron_-_F-22s「アメリカ空軍は世界最強」を文字通り体現する存在であるのが、最新鋭ステルス戦闘機であるF-22です。

 

アメリカ空軍は従来からステルス機を運用してきましたが、その大半は偵察機や爆撃機でした。それに対し、空対空戦闘をメインに行う純粋な戦闘機として設計・開発された初めての機体が、このF-22となります。

 

設計にあたっては、ステルス性のみならず、高度な電子機器や、高い運動性能などが徹底的に追求されました。ステルス性を頼みの綱にしたりはしない、どんな戦い方をしても相手を圧倒できるような、最強の戦闘機としてデザインされたのです。

 

そんなF-22の性能については機密事項が多いのですが「純粋な空対空戦闘能力は非常に高い」というのは間違いなさそうです。ある大規模演習では、F-22は在来型機144機を撃墜し、一機の損害も受けなかったとされます。

 

確かに、稀に「F-22が演習で撃墜判定を受けたらしい」という噂が流れるのは事実ですし、実際、そういうこともあるでしょう。しかし、そういう情報がニュースとして流れる事自体、F-22の強さを逆説的に証明していると言えなくもありません。普通だったら(今までの「最新鋭戦闘機」だったら)まずあり得ない事です。

 

そんなF-22ですが、悪い噂が聞こえてこないわけではありません。F-22の弱点として指摘されるのが、機体価格の高さです。一機あたり1億5000万ドル(1ドル=100円で計算して150億円。アメリカ空軍のF-15調達価格のおよそ5倍)というお値段は、さしもの金満軍事費大国アメリカをもびびらせている模様です。

 

また、一部の情報で「整備にかかるコストも高いらしい」という噂も聞こえてきます。なんでも、F-22の機体表面に塗布されるレーダー波吸収剤はすぐに剥がれ落ちてしまって、そのたびに塗り直してやる必要があり、金がかかってしょうがないのだとかいう話です。

 

機密が多くて明らかでないところがあるF-22ですが「全力を出し切って戦えば恐ろしく強い」ことは間違いないらしい一方で「もしかするとコスト面がアキレス腱なのかも?」という不安を抱かせるようなところがありますね。

 

愛称は「ラプター(猛禽)」です。猛禽とは肉食の鳥一般を指す総称で「イーグル(鷲)」とか「ファルコン(隼)」などもこれに含まれます。アメリカ空軍の強さを象徴する戦闘機に、相応しい愛称と言えるでしょうか。

 

F/A-18

F/A-18は、アメリカ海軍航空隊および海兵隊航空団が運用する戦闘攻撃機です。

 

640px-thumbnail_FA18EF/A-18は大きく分けて「F/A-18C/D」と「F/A-18E/F」に分かれます。後者は前者を大型化した、抜本的設計改良型であり、性能の面でも大きく違う別物であるという点に留意する必要があります(画像はF/A-18E)。

 

愛称もそれぞれ割り当てられていて、前者は単に「ホーネット(スズメバチ)」なのに対し、後者は「スーパーホーネット」となっています。

 

さて、そんなF/A-18ですが、当初は海軍版のF-16みたいな形で実戦配備されました。つまり、質より量という存在だったのですね。

 

640px-US_Navy_F-14B_Tomcat_(2268467788)F/A-18の誕生当時、海軍にはF-14という押しも押されぬ強力な主力戦闘機が存在していました。ただし、F-14もF-15と同じく高価で、しかも対地攻撃には不向きでした。

 

これに大して、F/A-18は安価で、対地攻撃もでき、F-14の欠点を埋める存在として期待されました。F-14に対するF/A-18は、ちょうどF-15に対するF-16と同じと言えそうですね。

 

ところが、諸々の理由(メインの理由は冷戦終結による軍事費の削減)から、現在ではF-14はF/A-18E/Fに全て置き換えられています。陸上の空軍基地と比べて、海軍の航空母艦はスペースに限りがあるため、一機で色々な任務に対応できる機体が、より強く求められていたようです。

 

初期型のF/A-18C/Dにはやはり「小さすぎる」ゆえの欠点が目立ちましたが、大型化されたF/A-18E/Fでは、その欠点も目立たなくなっています。

 

シリーズものだからと安心してなめてかかっている次回予告

アメリカ編はこんなところでしょうか。いや、もちろんアメリカ軍にはF-35という大トピックが控えているのですが、それは前回の記事でも触れましたし……

 

しかしやはり、いつかは攻撃機や爆撃機など、戦闘機以外の機種を紹介する機会も設けたいものです……

 

というわけで、次回は……思い切って「ロシア・中国編」とかいってみようかなあ、と……かなり大変そうですが(汗)

では、いつも通りの不安を残しつつ、また来月。

 

See You Next FLIGHT!!!