最近、立て続けに事件があったせいで、引きこもり支援に対する関心が高まっているようです。


で、私の知り合いのおじいさんに引きこもりの支援をやってる人がいまして、そのおじいさんから昔聞いた「こんなことがあったよ」って話がとってもいい話なので、ちょっとブログに書いてみたいと思います。



喧嘩が絶えなかったご家庭

お話は、とあるご家族から始まります。


そのご家族は両親と息子さんの三人暮らしで、息子さんが長期の引きこもりでした。


「働け」と怒るお父さんと「イヤだ」「無理だ」とごねる息子さんの、親子喧嘩が絶えなかったそうです。まあ、こう言ってはなんですが、よくある話です。ただ、このご家庭の場合は、家庭内暴力というよりは、親子喧嘩という感じだったそうです。


そんなある日のこと。その日も息子さんから殴られてしまったお父さんは「もう耐えられない」と堪忍袋の緒が切れ、息子さんを傷害罪で警察に告訴。息子さんは警察に逮捕されました。


ところが、翌日になって頭の冷えたお父さんは「やはり実の息子を前科者にするのは忍びない」「そんなことをしても、問題は悪化するだけだ」と考え直し、警察署に出向き、告訴の取り下げを申し出ました。


ところが、これに対する警察の対応に、お父さんはびっくり。


警察は「傷害罪は非親告罪なので、告訴が取り下げられたとしても捜査を打ち切ることはできない」「少なくとも、送検して検察官に判断してもらうことになる」と言ってきたのです。


告訴を取り下げても裁判の手続きは進んでしまうと知り、慌てたお父さんが相談したのが、私の知り合いで引きこもり支援をしているおじいさんでした。


そのおじいさんは話を聞いて「まあ、やるだけやってみましょう」と引き受け、何をするのかと思えば、なんと検察官のところまで陳情に行ったのだそうです。


検察官の対応に(良い意味で)ビックリ!

引きこもり支援のおじいさんは、検察官に対してこう言ったそうです。


「これからは、私が支援者として責任を持って支援するので、どうか今回のところは起訴猶予(裁判をせずに釈放すること)にしてもらえないでしょうか」


すると、これに対する検察官の対応が、良い意味でびっくり。

なんと検察官は


「いやあ、本当に助かりましたよ」


と、支援のおじいさんに感謝を述べたのだそうです。

なんでも、引きこもりの息子さんが送検されてから、支援者のおじいさんが現れるまでの間、検察官の人はこんな風に悩んでいたそうです。


「このまま起訴して有罪にしてしまえば、親子関係は修復不能になって、息子さんは完全に社会から孤立してしまう……でも、そんなことをして、一体何になる?」
「かといって、このまま放っておくわけにもいかない。ここで安易に起訴猶予にしてしまえば、同じことがまた繰り返されてしまう」
「どうすればいいんだ……?」


と、そんな風に検察官は頭を抱えていたそうです。
そこへ現れた支援のおじいさんは、まさに渡りに船でした。


検察官の人は、


「親子だけで問題を解決するのは難しいと思っていたところですが、支援者の方がいるのなら、可能性があると思います。これで安心して起訴猶予にできます」


と言って、引きこもりの息子さんを起訴猶予にしたそうです。


息子さんはそれ以降、支援のおじいさんの世話になるようになり、まあ、ときどき喧嘩したり仲直りしたりしているみたいですが、それでも、少しずつ前に進んでいるようです。


正直、この息子さんの将来がどうなるかは、まだ誰にもわからないことだろうとは思いますが、それでもこの話が「いい話だなあ」ということは、ずっと変わらないと思います。


 
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