いやね。ブログに書くほどのことではないかもしれないんですがね。


ちょっと先日、生き辛さを感じている30歳ぐらいのお兄さんと会って話をする機会があったんですよ。その時の話です。



そのお兄さん、会社の仕事が辛くて、かといって転職するほどスキルに自信もなくて、どうにもこうにも生き辛い、って話だったんですね。


私も最初はうんうんと同情しながら聞いてたんですが、話を聞いていくうちにふと思って、こう言ってみたんですよ。


「でも○○さん、大学は理系で院まで行って、頑張って研究やったんでしょう。何か生かせる知識とか経験とかあるんじゃないですか」


するとそのお兄さん、顔を歪めてこう言うわけです。


「大学院での研究は、とにかく大変でした。もう二度とあんなことはやりたくないです」


でまあ、いまやってる仕事も、大学時代に学んだ危険な薬品に関する知識は確かに役立つけど、仕事そのものは単純労働だし、なんならぜんぜん別の仕事に転職したって構わない、いやむしろできるならそうしたい、っていうわけですよ。


……まあね。わかりますよ。


大学院でやったことが社会に出て役に立たないなんて当たり前にあることでしょうし、そのせいで苦しんでいる人がたくさんいて、その原因の一端は大学やいまの世の中にもある……わかりますよ。ええ、わかりますよ。


いや、でもね……

ちょっと考えてみてくださいよ。


大学~大学院までを6年間だとすると、学費が600万円ぐらいですかね? 理系だともっとかな?

高卒後すぐに働いていれば得られたはずの機会損失は1,200万円ぐらい?


まあ、これにその他もろもろをプラスすると、院までの費用は実質2,000万円ぐらいになるんじゃないですかね。


2,000万円ですよ。2,000万。


2,000万円って言ったら、これはもうちょっとした「財産」ですよ。


その2,000万円の財産をあんた「大変でした。もう二度とやりたくないです」ってあんたね……。


そりゃあね、やってみたら違ったとか、こんなはずじゃなかったとか、色々あるんだろうけど……でもね、人生、30歳にもなったら、取り返しのつかないことの一つや二つも出てくるもんですよ。


自分の過去の人生を「背負うべき前提」として、所与のものとして前に進まなきゃいけないときもあるんです。


いや、今回ばかりは精神論とかではないんですよ。だって普通に考えてください。


6年間の歳月と2,000万円のお金をつぎ込んで得た知識と経験をですね、「大変でした。もう二度とやりたくないです」なんて言ってあっさり捨てちゃっていたらね、そりゃ、そんなことを何度も繰り返していたら、あっという間に人生追い詰められちゃうのも当たり前ですよ。だって普通の人はそんなに裕福じゃないですもん。生き辛くなるのも当然ですよ。


あんたが石油王の息子として生まれたんなら別でしょうけどね、そうじゃないなら持ってる財産をもっと大事に使ってくださいって話なんですよ。


よくよく考えると、その人の言ってること前々から色々おかしかったんですよねー。

「○○の仕事は××をやったあとは放っておくだけで大金が入ってくる。あれなら自分でも楽に稼げる」とかね。


いや○○の仕事そんなに簡単じゃないと思いますけど~たとえば~……って言いたかったけど、言いませんでした。そこまでする義理はないしね。


にしても、なんともはや……世の中にはいろいろと困った人がいるんだなあと、そんなことを思った、今日この頃なのでした。


 
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