447px-Final_assembly_3というわけで今回は、分業にはメリットとデメリットがあるのかな、という話をしようかなと思います。

 

本当はこういう話はもっと経済学を勉強してからの方がいいのかもしれないですが、まあ、今の時点でどんなことを考えていたのかとか、備忘録的に書いてみようと思います。

 

 

分業のメリット

そもそも分業とは何かと言いますと、複数の人々が役割を分担して経済活動に従事することです。

 

そんなこと当たり前ではないか、と思われるかもしれませんが、なかなかどうして分業は重要です。

 

現代の社会・経済はこの分業によって成り立っています。

 

一人の職人が、製品の製造を最初から最後まで自分一人だけで行うより、一人は自分が最も得意とする工程のみを繰り返し行い、多数の作業者が分担して製品の製造に当たった方が、早く大量に製品を製造できる……という認識が、産業革命の時期に広まりました。

 

Ford_assembly_line_-_1913分業の最たる例が、いわゆる流れ作業方式です。工員はベルトコンベアの左右に立って、流れてくる製造途中の製品に向かって、ひたすら同じ作業を繰り返します。

 

分業のメリットは、生産性を向上させられることです。それぞれの工員が、多数ある製造工程の全てに習熟するのはほとんど不可能(可能にしようとしたらコストがかかり過ぎます)です。が、製造工程のうちの一つずつに習熟した工員を多数用意することは、それほど難しくありません。そして、全体の生産能力で言えば、どちらも同じなのです。

 

繰り返しになりますが、現代文明の豊かさは、この分業が実現した生産性の向上に支えられているのは、間違いありません。よって、分業のメリットは、計り知れないものがあると言えます。

 

分業のデメリット

分業のデメリットとしてよく挙げられるのが「労働者が主体性を喪失する」というものです。マルクス主義の立場からは「疎外」と言われます。

 

……などと表現するとちょっと難しいですが、要するに、最初から最後まで自分一人で作った製品には強い愛着が沸くし労働に対する満足感も高いけれど、分業の下で一部の工程にしか関わっていない製品は、それほど愛着が沸かないし労働の満足感も低い、というような話です。

 

感傷的な話だと思う人も多いでしょうが、私は無視してはならない論点だと思います。

 

一人の人間の人生において、仕事は大きな割合を占めます。仕事に対する満足感は、その人間の幸福と、密接に関わる問題なのではないでしょうか。

確かに、最近では、我慢して嫌な仕事をしてお金を稼ぎつつ、余暇に趣味に打ち込んで満足感を得る、という人生観が、半ば当たり前になっています。私も、分業が進んだ現代社会において、そういうある種の諦めが広まるのは、当たり前といえば当たり前だろうな、と思います。

 

とはいえ、労働の満足感を高めようとすることに、反対する人はいないでしょう。そういう方向性で色々考えていくのは、いいことだと思います。

 

……などと言うのは簡単ですが、実際、考えるとなると難しいですね。

 

一つには、現場の労働者間の結束を高めて、仲間意識を醸成させることが考えられるでしょうか。こうすれば、労働者の製品に対する意識は「自分がちょっとしか関わっていない製品」ではなく「仲間と一緒に作った製品」に変わり、高い満足感が得られると思われます。

 

高度経済成長期の日本が、そういう感じだったのかもしれません……しかし、現代の日本では、そうした方式ですらコストがかかりすぎるものとして、否定されてしまっていますね。

 

まとめ

少し前に「国民幸福度」みたいな考え方が流行りましたよね。数値そのものは色々と真に受けられない感もありますが「物質的な豊かさだけではなく、精神的な豊かさも重視しよう」という流れ自体には、私も賛成です。

 

しかし「幸福感を高める」というと、とかく仕事を減らすことに重きが置かれががちです。

 

もちろん、私も日本人は働きすぎだと思いますし、もっと休めるようにしなければとは思います。

 

……が、中にはいるわけです。家で好きなことをするより、仕事をしている方が幸せだ、という人種が。

確かに、そういう人種を中心に社会を作るのは、色々とまずいでしょう。

 

ただ、幸福を追求していく中で「仕事そのものを、もっと幸せなものにしていけばいいのではないか」という方向性は、それはそれでありなのではないか、と、分業について考えている間に思いました。

 

問題は、分業が持つ生産性の向上というメリットを保ったまま、どうやって仕事に対する幸福感をキープするか、なんですけどねえ。考えるは易しというわけです。

 

まあ、今回はこんなところで終わりにしたいと思います。

 

では。