つい先日、Microsoft からおなじみのInternet Explorerの最新版となるWebブラウザ「Internet Explorer 11(以下IE11)」のWindows 7版が公開されました。
IEがこれまでやや遅れていたWeb標準への対応などを本格的に進めると共に、高速化などを実現した、順当なアップグレード版といえそうですね。
ただ、こうした最新版には、登場当初は本体の不具合や、最新版に対応していない他社ソフトと組み合わせて使用した時に出る不具合などがあるものです。
私はセキュリティソフトとして「カスペルスキー」を常用しているのですが、今回、IE11にアップグレードしたところ、カスペルスキーが原因とみられる不具合「パスワードが入力できない」に遭遇することになったので、この件について書いておきたいと思います。
パスワードが入力できない。ただのしかばねのようだ
カスペルスキーには「キーロガー保護」という機能があります。
「キーロガー(Keylogger)」とはPCに感染するウイルス(正確にはスパイウェア)の一種で、読んで字の如く、ユーザーのキーボード入力を記録し(“Key” を ”log”)、悪意ある人物へインターネットを通じて勝手に送信してしまうというものです。
こんなことをされると、ユーザーがあちこちのWebサイトで日常的に打ち込んでいるパスワードが、簡単に盗み取られてしまいますよね。
そこでセキュリティソフトのカスペルスキーが用意している「キーロガー保護」機能では、不審なプログラムがキーボード入力を監視していないかどうか、カスペルスキー先生が常に見張っているようです。これ自体は、とても便利な機能ですよね。
ただ、この「キーロガー保護」、環境次第では誤作動を起こしてしまい、キー入力を受け取って欲しいところが受け取ってくれなくなったりするみたいです。
たとえば、一部の通販サイトの検索欄にキーワードを打ち込もうとしてもなぜか打ち込めない(キーをいくら叩いても反応がない)といった具合です。
こういう時は、後述するようにカスペルスキーの設定を見直さなければなりません。まあ、設定し直せばすぐに直るんですけどね(ただしキーロガー保護の機能は弱まることになります)。
ただ、今まではそれこそ「一部の通販サイト」ぐらいだったのですが、今回、IE11にアップグレードしたところ、ほとんどのサイトでパスワード入力を受け付けなくなってしまいました。Gmailなどといった、ものすごい大手のサイトですらそんな有り様だったのです(まあ、私の環境だけだといいのですが……)。
そこでまあ、対応を迫られたわけです。
カスペルスキー先生を設定する
ここからはカスペルスキーの画面を載せながら説明していきますが、セキュリティ上の理由で黒く塗りつぶしてある箇所が多々あります。ご了承下さい。なお、カスペルスキーのバージョンは2013です。
また、これを参考に設定するにあたっては、あくまで自己責任でお願いします。
まず、カスペルスキーのメイン画面を起動させたら、右上のアイコン(歯車)から設定画面に入りましょう。
設定画面で「プロテクション」のタブを選択。初期状態でなっているはずですが、違う場合は盾のアイコンをクリックして選択しましょう。
一覧の中から「データ入力の保護」をクリック。
「セキュリティキーボード」と「入力情報の漏えい防止」の二つの見出しが出てくると思いますが、このうち「入力情報の防止」の方が、今回扱う「キーロガー保護」になります。
「物理キーボードからの入力をキーロガーから保護する」のチェックを外せば、無事にIE11でキーボード入力ができるはず……ですが、それではキーロガー保護が完全になくなってしまうので、ちょっと不安ですね。
そういう時は、その下の「設定」ボタンを押して、さらに詳しく設定することが可能です。
出てきたのがこの画面。「分類」タブからは、どのようなWebサイトでキーロガー保護を有効化するか、といったことが設定できるようになっています。「一般的なサイトでは、キーロガー保護無効でいいや」とか「ネット銀行みたいに大金を扱うサイトだけ有効にしておこう」などと、おおざっぱに設定する時はこちらで。
もう一方の「特定のWebサイト」タブでは、Webサイトごとに細かくキーロガー保護の有効・無効を設定できます。
まとめ:カスペルスキーはいいソフトだけど
説明は以上になります。
しかし、カスペルスキーというセキュリティソフトは、良いソフトではあるんですけど、微妙に行き届かないところがあるというか、そういう部分はユーザーが自分で設定してくださいみたいな考え方なんでしょうか。あんまり初心者向けではないのかもしれませんね。
(´・ω・`)
繰り返しになりますが、この記事を元に設定する時は、どうぞ自己責任でお願いします。
ではでは。