640px-First_to_Fight_USMC_recruiting_publicity_photo_1918_HD-SN-99-02127一昔前の軍隊でよく「陣形」ってありますよね。今回は陣形の基本「縦陣」と「横陣」の特徴について、軽く解説したいと思います。

 

 

横陣のメリット・デメリット

column_and_line1縦陣とは、進行方向に対して部隊が縦長になるように組んだ陣形のことです。対して横陣とは、進行方向に対して部隊が横長になるように組んだ陣形のことです。

 

line_meritまずは分かりやすい横陣の方から解説しましょう。横陣のメリットは、まず縦陣と比べて正面の広い範囲をカバーできることです。このことから、正面に対して一度に発揮できる火力も、縦陣と比べて大きくなることが分かります。

 

一方、横陣は「一点突破に弱い」という欠点も抱えています。横に広く部隊を配置する形になるので、たとえば相手が横陣の右端に戦力を集中して攻撃をしかけてくると、反対側の左端の部隊は支援がしづらくなります。

 

line_demeritまた、横陣は陣形としての厚みも乏しいので、そもそも突破を許しやすい陣形です。そして、一度突破口を起点に傷口を広げられるような攻撃を受け続けると、反撃のチャンスもなく一方的にやられてしまうことも珍しくありません。

 

このほか(ゲームでは関係ないですが)実際の戦闘の現場では「陣形の維持が難しい」という欠点も、横陣は抱えています。

横陣を維持したまま行軍するためには、横一線に並んだ兵士たちが、全く同じペースで前進する必要があります。ただ前進するだけなら誰にでもできますが、実際の戦場では方向転換なども要求されます。加えて、戦争では速ければ速いほど優位に立てるわけですから、指揮官の指示に従ってこれらの動作を速く正確にこなすためには、やはり相当な熟練が必要です。

 

そもそも横陣では「指揮官の指示を部下に行き渡らせることができるか」も難しくなります。ただ、これは縦陣と比較した方が分かりやすいので、詳細は後述しましょう。

 

縦陣のメリット・デメリット

続いて、縦陣のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

 

column_merit縦陣のメリットは、何と言っても戦力としての「厚み」です。防御に当たっては、これは前線が突破されてもすぐに穴をふさげるような「縦深」として有利に働き、攻撃に当たっては、先鋒の攻撃が頓挫しても後方からすぐさま援軍を補充できるような「波状攻撃」が可能になります。

 

また、縦陣は「指揮官が統制を取りやすい」のも隠れたメリットです。指揮官が先頭に立って指示を出せば、後続の部隊は前の部隊がやっていることを真似するだけでいいですからね。

 

これに対し横陣は、比較的指揮官が統制を取りづらい陣形です。たとえば、横陣で右に方向転換しようと思ったら、右側の部隊はゆっくり歩き、左側の部隊は走る必要があります。しかし、方向転換するたびに、指揮官が右端の部隊から左端の部隊まで別々に指示を出しているような暇は、戦場にはありません。

 

横陣の場合は、平時からの厳しい訓練で、部隊が上手に指揮官の意志をくみ取り、それを実現するために自分で考えて行動できるようになる必要がある、ということですね。

 

一方、縦陣のデメリットは、横陣のメリットと相反するものなわけで、カバーできる正面の幅が狭く、それゆえに、一度に全ての部隊が火力を発揮できない場合も多いことです。

 

column_demerit正面の幅が狭い故に、相手に側面を迂回されて包囲される、なんていう危険もあります。

 

バランスのとれた「くさび形」陣形

実際の戦場では、縦陣・横陣の基本的な考え方をベースにして、地形に合わせて臨機応変に陣形を設計したり、あるいは、戦局に応じて陣形を変更する必要にも迫られたりします。

 

でも、人間なら誰しも「これさえ押さえておけば大丈夫っていう、万能な陣形はないかなあ」と考えたりするものだと思います。

 

まあ、結論から言えばそんな陣形はないんですが(汗)。たとえば正方形の陣形は一見すると万能に見えますが、実は「密集しがちなので飛び道具に弱い(詳しくは前回の記事「密集と分散」をご参照ください)」「一方向から攻撃された場合、他の方向に配備された兵力(なまじ正方形なので、そういう兵力は多くなりがち)が無駄になる」などの欠点があるので、限られた状況でしか有効に働きません。

 

ただ「右も左も分からない初心者なら、とりあえずこれをやっておけ」みたいな陣形なら、私の個人的なおすすめでよければあります。

 

wedge_formationそれは「くさび形(楔形)」陣形です。これは、進行方向に対して正三角形を作るような布陣です。

 

くさび形陣形は、一見すると全方位に備えた陣形に見えますが、実際に使ってみると、横陣に勝るとも劣らない正面火力を持っていることに気づくと思います。それでいて、側面への火力発揮もなかなか良好。

 

前方に突き出た三角形の頂点を攻撃されると弱いように見えるかもしれませんが、実はここはくさび形で一番「厚み」があるところなので、意外と押し返せたりします。

 

実はこの陣形、多くの資料では「攻撃特化の陣形」として紹介されてるんですが、うーん、個人的には、状況によっては防御にも十分使えると思うんですがねえ……。

 

実戦で言えば、縦陣ほどではないにせよ比較的統率がとりやすいのも利点です。陣形の中央やや前に指揮官が陣取れば、そこから部隊のほとんどに命令を伝達できます。

 

ちなみに、このくさび形陣形、三角形を縦に長くすると縦陣に近くなり、横に長くすると横陣に似てくる、という、調節が可能な陣形でもあります。状況に応じて調整するのがいいかもしれません。

 

まとめ:臨機応変という名の丸投げ

先にも述べたとおり、実際の戦いでは縦陣と横陣の概念をベースに、目前の状況に応じて陣形を調節する、ということになります。ま、臨機応変という名の、現場への丸投げというわけですな。

 

まあ、現場の状況を知らない人が、口ばかり挟んでくるよりはマシだと思いましょう(汗)。

 

多くのゲームでも、ここで紹介した概念はほとんどそのまま通用すると思います。

ただ、火力(飛び道具)が弱いゲームでは正方形の陣形も意外と強かったり、逆に火力が強すぎるゲームではそもそも陣形を組むことが危険だったり(徹底的に分散した方が良い)といった点はゲームによって異なりますので、ご自身がプレイしているゲームに応じて、ということで。

 

では、今回はこのへんで。また次回!