Hohenfriedeberg_-_Attack_of_Prussian_Infantry_-_1745今回はちょっと趣向を変えて、軍事の世界の話「密集と分散」について考えて行きたいと思います。しっかりと身につけて応用できれば、ゲームで強くなるのにも役立つはずです。

 

 

あちらを立てればこちらが立たず

Greek_Phalanx古代から中世にかけての戦いは「密集体形」で戦われました。ギリシアのファランクス(画像)などが有名な例でして、昔の人は経験から「密集して戦った方が強い」ことを知っていたのですね。

 

ところがこの密集体形には重大な欠点があります。それは「飛び道具に弱い」ことです。

 

614px-Siege_orleans密集した陣形を組んでいる相手に、矢を射込んだり、石を投げたりすれば、陣形の中の誰かにほぼ必ず当たります。また、時代が進んで爆発物が戦争に使われるようになると、爆発物を密集体形の真ん中に撃ち込めば……言うまでもないですね。

このような「飛び道具に対する弱さ」を克服したい場合は、密集体形を解いて分散するのが賢い選択です。分散すれば、飛び道具が当たる確率はぐっと下がります。

 

ところが、ここで話は最初に戻ってしまいます。分散している軍隊は、密集体形で近接戦を挑まれると、簡単に負けてしまうのです。

 

「密集すると飛び道具に弱く、分散すると近接戦闘に弱い」。これでは、あちらを立てればこちらが立たず。何とも言えず、悩ましい限りですね。

 

ちなみに、この問題は剣と弓で戦っていた古代から、戦車や戦闘機が闊歩する現在まで変わっていない問題であり、法則です。ここまでの普遍性を持つ法則は極めて稀でして、このことから、密集と分散の問題は「戦争の黄金律」と言っても、過言ではないかもしれませんね。

 

 

万能の解決法はないけれど

この問題には万能の解決策はなく、現実の軍隊も、その解決法には悩んできました。現代においては、普段は分散しておいて砲爆撃の被害を抑えつつ、近接戦闘の必要が生じた場合は、機動力を発揮して素早く密集する、という方法をとっています。機動力を発揮できない歩兵の場合などは、塹壕を掘って砲爆撃をやり過ごすといった、効果的ではありますが原始的な方法がとられます。

 

ゲームでこの知識を生かせるかどうかは、個々のゲームにもよるわけですが、たとえば範囲攻撃兵器で相手を分散させておいて、こちらの近接戦闘ユニットに密集突撃をしかけさせる、なんて戦術を、導きだすことができるでしょうか。