suburbia_top今回はiOS版のボードゲーム「Suburbia」をご紹介。

 

記事末尾でもちらっと触れますが、日本では「シティビルダー」のタイトルで実物ボードゲームも発売されている本作。

 

比較的短時間でルールを理解し、プレイできる手軽さがありながら、奥が深いゲーム性を持ち、繰り返し夢中になって遊べる秀作でした。

 

 

作ろう、作ろう、私は市長

suburbia_top2Suburbiaは市長となったプレイヤーたちが、六角形のタイルをマップ上に配置していき、少しでもいい街をつくろうと競い合うゲームです。

 

毎ターン1枚ずつ設置するタイルには「コンビニ」とか「工場」とか「郊外の住宅地」とか「郵便局」とか書かれており、それぞれに色々な効果があります。

 

その効果に基づいて、それぞれの街ごとの「予算(Cash)」「収入(Income)」「人口(population)」「評判(Reputation)」が上がったり下がったりします。

 

タイルが配置されるごとに、刻々と変化するこれらのパラメータとにらめっこしながら、プレイヤーはライバルたちよりも良い街を作ろうと頭を悩ますわけですね。

 

詳細は後述しますが、基本的にはゲーム終了時点で街の人口が最も多いプレイヤーが勝ちです。

 

 

勝負だ、コンピューター市長

このゲームにはシングルプレイヤーキャンペーンやマルチプレイもありますが、今回はAI相手の対戦プレイを紹介しましょう。

 

全てのプレイヤーは「郊外」「公園」「工場」の三つのタイルの初期配置と、15の予算、2の人口、そして1の評判を持ってスタート。

 

毎ターン、画面上に選択可能なタイルが横一線で表示され、その中から一つを選びます。各タイルは設置する際に「予算」を消費するのですが、左の方のタイルは追加で予算をとられます(なお、「工場」「郊外」「公園」の三つは「基本タイル」として、この一覧に縛られずに4枚まで設置できますが、あまり強力なタイルではないのでできればそれ以外のタイルを選びたいところです)。

 

suburbia_ai_1初手で私は「高級レストラン」を選択。収入に+3をもたらしてくれるという効果は、序盤では強力です。その代わり、後から建てたレストランがもたらす収入が-1されるというペナルティつき。また「公園」に隣接する効果により評判が+1されます。

 

このように、各タイルには「そのタイル自身がもたらす効果」と「その他のタイルの存在によってもたらされる効果」があり、また、プラスの効果だけではなくマイナスの効果もあります。そのあたりを考えながらゲームを進めていきます。

 

タイルを設置すると「選択可能なタイルの一覧」は、空いた隙間を埋めるように右側へ詰め、左端にタイルの山から一枚が追加されます(ちなみに「選択可能なタイル」は全プレイヤー共通なので、相手が欲しがりそうなタイルを先に自分が買ってしまうなど、駆け引きのポイントになります)。

 

また、ターン終了時に「収入」の数値分が「予算」に加算され「評判」の数値分が「人口」に加算されます。

 

今回のターン終了時には「高級レストラン」設置により6になっていた予算に「収入」の3が加算され9になり、また評判は2だったので、人口はスタート時のものと合わせて4になる、という具合ですね。

 

suburbia_ai_2続いてはコンピューター市長の初手。「地方空港」ですか。空港は同じ「空港タイプ」のタイルがあればあるほど効果がアップするタイルですね。

 

suburbia_ai_3私の二手目。ここで「池」を配置。

 

「池」は通常タイルを(コスト0で)裏返すことにより手に入るもので、設置時に周囲にある通常タイル(池以外のタイル)の数に応じて予算が手に入ります。また、後から池の周りに通常タイルを設置することによっても現金が得られます。

 

池そのものは何の効果もないタイルなのですが、序盤に手っ取り早く予算を手に入れたり、(事実上)少ない予算でタイルを設置できるので、序盤の2手目~4手目ぐらいに設置するのが定石なようです(AIの指し手を見る限り)。

 

また「相手プレイヤーに渡したくないけど自分は欲しくない」というタイルを池にして設置するという使い方もあります。

 

ここを良い街にしよう

suburbia_ai_4さて、このあたりで画面右下の丸いチップをチェックしてみます。

 

これは「ゲーム終了時にここにある条件を満たしていると、スコア計算でボーナスが得られるよ」というものです。最近のボードゲームにはよくありますね。

 

今回は左から順番に「最も高い評判」「最も多くの公共施設」「公共施設を最もたくさん連結させる」とあります。この条件はゲームごとにランダムに決まり、他にも「最も多くの商業施設」とか「最もたくさんの予算」とかがあります。

 

なお、左の二つは全プレイヤー共通の条件で、条件を満たしたプレイヤーがボーナスを総取りします。一方、右端の一つはそのプレイヤー(自分)限定の条件でして、他のプレイヤーにはそもそも見えないですし、条件を満たせなかったとしても他のプレイヤーがボーナスを受け取ることはありません。

 

共通条件は全プレイヤーが競い合う一方、自分限定の条件はこっそり達成してボーナスをかすめとることを狙うわけですね(もっとも、人間相手の場合、あからさまにやると条件がバレて妨害されたりしますが)。

 

ボーナスの量は10~20ぐらいですが、接戦になるとこれがとれるか否かでゲームの勝敗が決まったりします。

 

suburbia_ai_5さて、数ターン後。私は画面右側に商業施設を集中。中心に「オフィスビル(隣接する商業施設1つにつき収入+1)」を配置して、ここからドーンと収入を上げる予定です。

 

suburbia_ai_6一方、コンピューター市長の街作りはこんな感じ。空港をたくさん設置して、相乗効果で稼ぐ作戦のようです。

 

さて、そろそろ疑問に思う方もいるかもしれないのでここらへんで説明を。

 

私は最初「基本的に人口が多いプレイヤーが勝ち」と書きましたが、さっきから収入を上げるばかりで人口を無視しています。

 

これはなぜかというと、実は人口を上げると「ペナルティ」がかかるからです。

 

最初は、人口が15を越えると、収入と評判が-1されます。次は、人口21を越えると収入評判-1という具合です。

さらに、このペナルティは人口が増えれば増えるほど頻度が上がり、人口が100ぐらいになると、人口が2~3増えるたびにペナルティが発生し、まともに人口を増やすのは困難になってしまうのです。

 

また、タイルを置くたびにタイルの山から補充されるのは上で触れた通りですが、このタイルの山は「A」「B」「C」の三種類あり、AがなくなるとB、BがなくなるとCという順番に切り崩されていきます(ちなみにCの山の中に一枚「次のターンでゲーム終了」のタイルがあります」)。

 

このABCのタイルの山ですが、AよりもB、BよりもCの方が、強力でかつ高価なタイルが含まれています。しかし、無理してAのタイルを使って人口を増やしてしまうと、ペナルティにより収入が頭打ちになり、強力なBやCのタイルを買えなくなってしまいます。

 

そこで、ゲーム序盤は人口や(人口増の原因になる)評判を抑えつつ、収入を上げていくプレイになります。そうして序盤はお金を貯めた後、強力なBやCのタイルを使って人口(あるいは評判)を上げていくのが、このゲームの基本戦略なのです。

 

 

おお街よ、あなたはなぜ街なの

suburbia_ai_7ゲーム終盤の我が街はこんな感じ。ボーナス条件の「最も高い評判」「最も多くの公共施設」「公共施設を最もたくさん連結させる」を達成するため「隣接する公共施設1つにつき評判+1」の効果がある「美術館」の周囲に公共施設を集中させています。

 

 

左の公共施設群と右の商業施設群が美しい対称となっていて、図らずも美しい街になっていますね。しかし、うっかりしていて住宅施設の建設が遅れてしまい、人口で大差をつけられてしまっています。ここから猛追をかける構え。

 

suburbia_ai_8一方のコンピューター市長。空港をたくさん誘致するという、当初方針は貫徹できているようですが、正直言ってあんまり綺麗じゃない。


 

suburbia_ai_9結局、人口差は最後まで埋められませんでしたが、ボーナスを三つ獲得できたのが功を奏し、最終スコアでは僅差で私の勝ちとなりました。しかし、相手の隠れボーナス「最も少ない池」を達成させられていたら、逆転していましたので、まさに薄氷の勝利(汗

 

suburbia_ai_aこのように、AIの出来は良く、特に最も強いAIの「Shelley」はプレイに習熟した私でも勝率が五割ぐらいで、かなり手応えのある相手です(画像は惜しくも1点差でShelleyに破れたの図)。

 

街々色々

suburbia_campaign紹介したAIとの対戦の他に、同様のルールで人と対戦する「マルチプレイ(インターネットを介する)」「パスアンドプレイ(一台のデバイスを受け渡しする)」のほか、対戦相手を設けずに一人で街作りに挑戦するシングルプレイヤーキャンペーンもあります。

 

キャンペーンは、基本的にステージごとに異なる初期タイルを与えられ、定められた目標をクリアすることを目指すものです。最終ステージ「Essen」(ボードゲーム祭りで有名なドイツの都市)はEasyでもかなり難しかったですが、クリアすると対戦モードで使える特殊タイルがアンロックされます(賛否両論ありそうなシステムですが、オフにもできます)。

 

シングルプレイヤーキャンペーンは、ルールなども微妙に異なり、対戦プレイの参考にはなりませんが、これはこれで楽しめるかもな、という感じです。

 

suburbia_tutorialチュートリアルは、がっつりと英文テキストを読まされますが、一度読めば必要なルールはしっかり習得できます。

 

suburbia_rulebook詳細なルールや、タイルの一覧を見たい場合は「ルールブック」もあります。


 

手軽でかつ奥が深い街作りゲーム。おすすめ

というわけで、大変面白いゲームでした。

 

この手のゲームは「毎回同じような展開になって単調」とか「途中で勝ち負けが半ば決まってしまい、残りの時間が消化試合になってしまう」などという問題点を抱えがちです。

 

しかし、Suburbiaはタイルの並びがランダムなので毎回違った展開になりますし、隠れボーナスがあるので大抵は最後まで勝ち負けが読めません。

 

難点はほとんど見当たりませんが……強いて言うなら、タイル設置を終えた後「次のターン」のボタンを押さなければならないのですが、これを画面真ん中ではなく、指がすぐ届く右下とかにして欲しかったですね。

 

また、人によってはAI対戦だけだと飽きが早いかもしれません。オンライン対戦をガンガンやるのに抵抗がない人や、一緒に遊ぶ友達がいるという人には、よりいっそうおすすめできます。

 

とはいえ、お値段は500円(2014/02/10 現在)。この内容でこの価格なら、十分におすすめできるでしょうか。

 

 

 

おまけ:実物ボードゲームもあるよ。ただし邦題は「シティビルダー」

さて、このSuburbia。多くのiOS向けボードゲームがそうであるように、もともとは実物のボードゲームです。

 

ただし、日本語に翻訳される時に、邦題が「シティビルダー」と変わってしまったので、このiOS版から入った人にはちょっと紛らわしかったり。

 

私はこの実物ボードゲームの方は未プレイなのですが、大変評判は良いようです。私が愛読している4Gamerには、ボードゲーム版のレビューがあるので、興味があればご一読を。

 

ボードゲーム版のお値段は4500円程度と、やはりかなり高くなってしまうのですが、友達と集まってプレイするには、狭い画面でやるよりもこっちの方がいいでしょうね。

 

テーブルを囲んで

 

「お前の街きったねえなあw」

「うるせえw スコアでは勝ってるだろw」

 

なんて会話を交わすのが聞こえてくるようです。

 

いきなりお金を出すのは抵抗がある、という人は500円のiOS版でゲームの面白さを確認してみて、実物版の購入を検討する、というのもいいかもしれませんね。