皆さんは「クリアリング」という言葉をご存知でしょうか。これは、軍事の世界で「室内を掃討する」みたいな意味です。ちなみに「ブリーチ」とはドアやら壁やらをぶっ壊して突入口を開ける、ぐらいの意味です。
というわけで、今回は軍隊の室内突入を舞台にした、iOSのストラテジーゲーム「Breach & Clear」をご紹介します。
*2013/09/19 待望の大型アップデートが来たので「v1.0.6にアップデート」の記事を書きました。こちらもどうぞ
ターン制ではなく「プロット&アクション」とは?
このゲームは「プロット&アクション」制を採用したストラテジーゲームです。
これは、自分と相手が交互にユニットを動かしていく一般的なターン制とは違って、事前に各ユニットの行動をまとめて入力しておき、合図と共に、自分と相手のユニットが一斉に動き出す、という形式です。
ターン制だと、いくらルールに工夫を凝らしたとしても、どうしても「相手が攻撃してくるのに、こちらのユニットは身動き一つしない」という不自然な情景になってしまいますが「プロット&アクション」だとこの点は少しましになりますね。
ただ「プロット&アクション」では、的外れな計画を入力した場合、並みのターン制より遥かに不自然な情景が広がります……
しかし、B&Cのテーマは室内突入。つまり、こちらは能動的ですが、相手は受動的なので「プロット&アクション」の欠点が表面化しにくいのです。ゲームテーマとゲームシステムが上手い具合に組み合わさっていて、期待が持てますね。
(注:以下の内容は2013/07/23 現在のバージョンを元に執筆されました)
刮目せよ! これが「ぶっ壊し アンド お掃除」だ!
まずはステージ選択。アフガニスタンのカブールらしいんですが、一般的なイメージとかけ離れた、近代的なオフィスが舞台。
難易度も最初は三段階から選択できますが、ミッションをクリアして★を集めていくと、上位の難易度がアンロックされるようです。
ステージと難易度を選ぶと、このような画面が表示されます。このステージにはAとB、二つの突入口があるようです。
ちなみに、突入隊員の数は4人で固定です。
次の画面で、4人の突入隊員をどの突入口に割り振るか決めます。さらに、突入方法を4種類から選べます。通常突入、ショットガン、爆破、ピッキングの4種類です。
それぞれにメリット・デメリットがあるようで、おおざっぱに言うと、ピッキングなど静かな突入方法を選ぶと室内の敵兵に気づかれにくく、ショットガンや爆破などを選ぶと室内の敵にダメージを与えられる一方、敵兵に気づかれてしまう、ということのようです。
今回は突入口Aに4人全員を集結させます。いよいよ行動の入力開始です。
画面右から隊員を選択した後、長タップで移動先を指定。移動後の向きも設定できます。隊員が遮蔽物の陰に隠れて、身を守れるようにしましょう。
また、移動先に至るまでに通過する経由地点を指定することも、経由地点におけるユニットの向きも指定できます。部屋の隅の敵兵は、これによってしっかりチェックしましょう。
入力が完了したら、右下の「BREACH」ボタンを押して突入開始。
優秀な隊員達がバタバタとテロリストを倒していきます。
まあ、最低難易度だからなんですがw
右下に突入した時、一人負傷。物陰にいる相手を倒そうとして、無理に接近しすぎたか。可能なら、手榴弾を使えばよかったかもしれませんね。
最後の部屋は、一番広くてやっかいそうだったので、2カ所から同時突入という手の込んだことをしてみます。
が、拍子抜けするほどあっさりと制圧できてしまいました。ミッションコンプリート。
ミッション後の結果報告画面。隊員のレベルアップなどが確認できます。
成績に応じて★4つまでの評価が獲得できます。★は各ステージ・各難易度別に加算され、★を貯めないとプレイできないステージや、購入できないアイテムもあります。
ただ、最初のステージぐらいならまだいいものの、★4つを獲得するのはかなり大変で、なかなか挑戦のしがいがありそうです。場合によってはお金をふんだんに使って、大量のアイテムを投入して代わりに★の獲得を狙うのも一考でしょう。
また、クリアまでの最速タイムも記録されます。タイムアタックに挑戦するのも面白そうですね。
決定的ではなくても、戦力の差は戦力の差なのだよ
で、このゲームは淡々とステージを攻略していくだけではなくて、経験値を貯めて隊員を育てたり、ミッションをクリアして稼いだお金で装備を買ってパワーアップしたりできます。
ゲームを初めて開始するとまず真っ先に表示されるのは、色々な特殊部隊の中から、自分の部隊を選ぶ画面です。
有名なNavy SEALsを始め、陸軍レンジャー部隊など4種類があります。微妙に能力値が異なるようです。
部隊を選ぶと、顔やら名前やらを設定しろと言われます。4人分。
脱線になりますが、正直、ゲームを始めて一番最初にこれというのは、ダルイですね。このゲームが不親切な部分です。
たとえばこうしたらいいんじゃないでしょうか。
ゲームを開始するといきなりプリセット隊員によるチュートリアルミッションが始まり、それを無事クリアすると、突然の敵襲によりプリセット隊員全滅。
そこで画面が暗転し、メッセージ「敵の攻撃で君は部下を失ったが、いつまでも悲しみに打ちひしがれてはいられない。新しいチームを結成するんだ」。そしてキャラメイクが始まる、と。
これなら雰囲気も盛り上がりますし、プレイヤーのストレスも軽減されますよね。
話を戻しましょう。次はクラス選択の画面です。射撃班長、武器担当、衛生兵などがありますね。
射撃班長の能力はこんな感じです。敵の攻撃を引きつけるなどの特殊能力を持っていますね。
ただまあ、クラスによる違いというのは、RPGでは面白いでしょうが、この手のゲームではどうでしょうかね。たった4人のチームなんだから、誰かにできて誰かにできないことがある、というのは、人材管理を面倒にするだけだと思うんですが……ここもちょっと眉をひそめたくなります。
まあ、そう思うんなら全員同じクラスに設定することも可能です。
さっきも言ったことですけど、ちょっと戸惑いますねw 普通は間髪入れずに「チュートリアルを行いますか? YES or NO」って出ますよねw
というわけで、初めての人はメイン画面右下の「TRAINING」から「TUTORIAL MISSION」を選びましょう。たぶんいきなり本番ステージやってもわかんないですw
なお、ミッションをクリアしてお金を貯めると、装備を買うことができます。
アメリカの鉄砲屋さんを連想するかもしれませんが、ああいうところはハンドガンやショットガン、伝統的な人気のある年代物の銃なども多いので、最新の軍用ライフルばかりを集めたこちらの方が危険度は高そうw
このような銃のパーツも買って、銃をカスタムすることまでできます。
こちらは隊員が身につける装備。ヘルメットや野戦服などですね。
消耗品はこちら。フラッシュ・バンや手榴弾などはこちらで購入し、隊員に装備させる必要があります。
UAV(無人偵察機)を購入すると、ミッション開始前に敵の配置を知ることができます。かなり強力です。でもお値段は高め。突入の時にオプションで使うピッキング用具や爆弾も消耗品です。
この他、アイテム課金要素として、ゲーム内通貨の購入や獲得経験値2倍、獲得通貨2倍などが用意されています。
世界(の戦場)を旅しよう
こちらはワールドマップ。最初に選べるのはアフガニスタンだけですが、ステージをクリアして★を集めると徐々に追加されていきます。また、ゲームモードも、現在は敵の殲滅だけですが、
人質救出や爆弾解除も将来のアップデートで追加される模様。
*2013/09/22 追記:どうやらいつの間にかアップデート予定が変わっていたようで「coming soon」になっているのが「HOSTAGE RESCUE(人質救出)」ではなく「EXTRACTION」に変わっていました。
Extractionというのは、辞書で引くと「摘出・抽出」といった意味ですが、軍事界隈ではあまり聞き慣れない言葉ですね。あくまで推測ですが、テロ組織のリーダーを拉致して撤退する、という任務かな、という気がします。
こちらは南シナ海ミッションの1ステージ。船に突入するミッションですね。アフガニスタンとは全く雰囲気が違うのがおわかりいただけるでしょうか。
ステージを進めていくと、このように大きなマップも登場します。
4人で攻略するのは大変そうですね。正直、倍の8人は欲しいです><
ある程度長期戦になりそうなので、消耗品の回復アイテムを買って持って行った方がいいかもしれませんね……。
まとめ:完成度はイマイチながら題材が良い。今後のアップデートに期待大
えーと、で、この「Breach & Clear」ですが、実は割と褒めて書いてきたつもりです。
もちろん、先ほども「導入の不親切さ」を挙げたとおり、いろいろと悪い点はあります。たとえば、iPad2でプレイしたのですが、動作がやや重いです。それほど処理容量を使うゲームとも思えなかったのですが……また、簡単に「元に戻す」ができるものの、細かい指示が要求されるので、iPhoneでのプレイもちょっとおすすめできないかな、という感じです。
また、RPG的な要素も、部隊規模が4人で固定されたこのストラテジーで面白い方向に機能するか疑問です。二手に分かれる時、1人しかいない衛生兵を右に行かせるべきか左に行かせるべきかなんて、どうやって判断しろというのか(汗)
また、ステージや装備などに「Coming Soon」が何カ所か出ているのも気になります。しかしこの点はむしろ将来に期待していますので、是非、早くアップデートして欲しいですね。
とまあ、欠点を一通り俯瞰してきましたが、見出しにもあるとおり、このゲームは題材が面白いです。室内への突入をテーマにした「プロット&アクション」のゲームをiOSで出してくるとは。1ステージクリアするのにも、それほど時間はかかりません。これで、いつでもどこでもテロリストハントができるというものです……いや、好きな人は好きなはずだ><
ゲームそのものの面白さとしても、雰囲気が出ていますし「こいつをこっちに配置するとこっちが死角になるからあいつをここに置いてカバーして……」とか「こっちのドアから突入すると、手頃な位置に遮蔽物がないから、あっちから突入しよう」とか「二手に分かれて手早くやるか、それとも4人で固まって火力を集中させて手堅く行くべきか」とか考えるのはなかなか楽しいです。
というわけで、まとめとしては「今後のアップデートに期待大」というところでしょうか。
お値段は3.99$ということですので、日本だと400円弱ぐらい……?(近々、円安のためApp Storeのレート変更があるとの噂なのではっきりとは書かないでおきます>< )
この価格なら、軍事モノが好きなゲーマーなら「買い」なのではないでしょうか。ちなみに、私が買った時は、リリース記念セールで半額でした。
最後に、Youtubeから、公式のトレイラーを転載しておきます。ゲームがどんな感じで動くか分かりますので、是非ご覧ください。
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