えー、Company of Heroesと言えば、知る人ぞ知る第二次世界大戦を舞台にしたRTSの名作です。
このたび2の発売となり、その直前3週間ほど、オープンβ、つまり誰でも無料で参加できるテスト(というより宣伝?w)が行われていましたので、その模様をレポートしたいと思います。
どんなゲームよ?
(注:前作をご存知の方はこの章は読み飛ばして下さい (>_<) )
今回ご紹介するCompany of Heroes 2は、先述のとおり第二次世界大戦を舞台にしたRTSです。
RTS(Real Time Strategy = リアルタイムストラテジー)とは、知らない人向けに言うと、戦場を上から見て、マウスやキーボードで兵士たちに指示を出して戦うゲームのことです。ただし、将棋や囲碁のようにターン制ではなく、現実の戦闘と同じように常に時間が流れ続けるため、割と忙しい点が大きく異なります。
(画像は前作のパッケージ)
2000年代はPCゲーム業界で大いに盛り上がっていたものの、近年はマンネリ化して下火になっていたジャンルですが、Company of Heroesは、その中でもいくつか特徴ある要素を導入して人気を集めた作品です。
特徴としては
・歩兵は数人一組の分隊単位で扱われるので、数十人の歩兵に一人一人指示を出す忙しさが緩和される
・ゲーム性と結びついた美しいグラフィック。身を隠せる場所に歩兵を配置すると防御効果がついたり、機関銃の射撃範囲が建物によって遮られたりする
・歩兵が死ににくく、死んでも全滅する前に撤退させれば低コストで補充できる
・速すぎず遅すぎないちょうどいい速さのゲーム展開
など、RTSの煩雑だった点を解消する一方、技術の進歩に相応しい発展的な内容を盛り込んできた意欲作であり、ヒットを飛ばしました。
今回紹介するのは、そのCompany of Heroes のナンバリング続編である、Company of Heroes 2、そのオープンβ版です。
前作が1944年の西部戦線、米英軍とドイツ軍の戦いを扱っていたのに対し、2では1943年のドイツ軍とソ連軍の戦い、すなわち東部戦線を扱っていますが、果たしてどんな感じになっとるのでしょうか。
(画像は前作のパッケージ(裏))
いきなりのウラーーーーーーーッ!
本当は本作のキモであるマルチプレイを紹介したかったのですが、なんというか、
それも気まずいというか恥ずかしいですので(>_<)、
シングルプレイを中心にレポートしていきます。
こちらがブリーフィング画面。どうやら渡河攻撃のようですね。
ちなみに、オープンβ開始当初はシングルプレイは付属していなかったものの、後半になっていつの間にかアップデートで追加されていました。どうやら、E3 2013(アメリカのゲーム見本市)で展示されていたのと同じミッションのようです。
ロケット砲(有名なカチューシャ。またの名をスターリン・オルガン)の支援砲火を受けつつ、戦車を先頭に、凍り付いた河を利用して渡河突撃を開始。ウラーー!
が、いきなり戦車が沈没! ウワーーー!
ドイツ軍歩兵がわらわらと集まってきて、半包囲される残余のソ連軍歩兵……
が、ここで撤退すると後ろから銃弾を浴びせられる気がするゲームにならないので、突撃を続行。手榴弾をポコポコ投げて血路を開きます。
ようやく向こう岸までたどり着きますが、当然ここにも第二防衛線が。手榴弾が切れかかっていたので苦しい戦いを強いられるも、手薄な右翼に迂回して、なんとか攻略。
攻略した敵陣の隅に、無傷の迫撃砲を二門も発見。歩兵を派遣して奪取させます。相手が落とした兵器を奪取できるのも、CoHの特徴ですね。しかし、まさかこの迫撃砲があれほど活躍するとは……
AIの分際で!
要請していた増援(機関銃分隊およびハーフトラック)が到着。再編成を整えてさらなる攻撃を開始……が、その時
なんと、味方の司令部が火炎放射兵による攻撃を受けている!?
撤退して再編成中だった歩兵を駆り出して迎撃するも手間取り、結局、ハーフトラックを前線から呼び戻して対処。
AIの分際でこしゃくな……と思っていたら、これだけではないのでした……
さらに内陸に向かって攻撃をしかける我が歩兵部隊……しかし、そこにはスナイパーの待ち伏せが!
なんというどっかで見た戦術! AIの分際でというか、AIだからこそと言うべきか……
さらに、スナイパーには接近戦で勝負じゃ! と突撃する我が歩兵部隊に立ちはだかったのが、なんと建物に籠城した機関銃!
……だんだん分かってきました。「待ち伏せ」がこのステージ(ないしゲーム)のAIの基本コンセプトですね。なるほど。
結局、先ほど奪取した迫撃砲の猛射で、機関銃とスナイパーを撃破。
すると、増援部隊が到着。突撃砲(戦車のちょっと弱いやつみたいなもん)三両か……ないよりは良いが、微妙な……
それに、突撃砲が来たということは、これからの敵もまた強力ということに……
おそらく次も待ち伏せがいるだろうと予想し、斥候役の歩兵を派遣。するとやはり機関銃が。すぐさま迫撃砲で撃破。迫撃砲便利。
アラモ!(国が違う
「やったか……?」と思っていたら、やはり来ましたよアレが。
いわく「敵の反撃を撃退せよ」。
直後に始まる砲撃。そしてなだれこんでくる歩兵……上等だ、かかってこい!
が、敵の攻勢は思ったより激しく、歩兵部隊からは死傷者続出、突撃砲も一両が撃破される。
ここでも例の迫撃砲が活躍し、どうにか持ちこたえるが、なおも強まる猛攻。ドイツ軍は戦車まで投入……このままでは陥落は必死と思われた、その時……!
説明しよう! KV-1とは、ソ連軍の有名な重戦車だ!
救世主のごとく現れたKV-1は、その名声に違わぬ活躍を見せる! ドイツ戦車から放たれる砲弾をことごとくはじき返し、その姿は守護神そのもの!
さらに、ドイツ軍が放棄した対戦車砲を歩兵が奪い、迫り来るドイツ戦車に痛烈な一撃を浴びせていく!
かなーり危なかったものの、どうにかドイツ軍の猛攻をしのぐことに成功。
あ、ちなみに、難易度は三段階あるうちの真ん中でした。それでもけっこう厳しかったなあ……
一方、マルチプレイの感触は
さて、この手のRTSの場合、AI相手のシングルプレイよりマルチプレイの方が重要という人も多いかと思いますので、最後にそちらについても触れておきたいと思います。
本作のマルチプレイはずばり、前作の正統進化という感じですね。全体として、Company of Heroes 2の名にふさわしいだけの作品とは言えるでしょうか。ただ、ちょっとだけ進化不足というか、前作から劇的に良くなった部分が挙げにくいのは気になりますが……
ただ、前作と比べて明らかに良くなったと思われる点が二つあります。
一つは、右上の部隊一覧が使いやすくなったことです。一覧は歩兵と車両別に二段に分かれて、いつでも任意の部隊を選択できるだけでなく、それぞれのユニットが交戦中であるとか、暇を持て余しているといった情報がアイコンとして表示され、非常に使い勝手が良くなっています。
もう一つは、ユニット数の上限が引き上げられたことです。これにより、資源が余っているのにユニット上限のせいで新規ユニットを生産できないということは(マルチでは)まず見かけなくなりました。どちらかというと、資源の不足に困らされる印象です。
また、ゲーム内の進化とは別にもう一つ。マッチング機能が強化されたことが上げられます。前作はオートマッチは1v1または2v2のみだったものの、今作では3v3や4v4にもオートマッチが用意されています。これは人数が多い方が好きな私には非常にプラスな変更ですね。
さらに今作では人間対AI戦のマルチプレイにもオートマッチが用意されています。前作だとすでに建てられている部屋に入室という、昔ながらのやり方だったので、人間4人 vs AI4体 といった設定がオートマッチで可能になったのは、対AI戦が大好きな私にとっては、またまた嬉しい変更です。
まとめ
今回、オープンβでわかった範囲では、Company of Heroes 2は「普通に面白いRTS」といったところでしょうか。
前作の面白さを損なうことなく、正統進化を果たしているものの、劇的な向上を望んでいた人には少々物足りないかもしれません。
でもまあ、この手のRTSは最近リリース数も減ってますので、待ち望んでいた人にはそれなりに期待に応えてくれる内容になっているのではないでしょうか。