conflict_of_heroes_title手軽なルールで小規模な戦闘を体験できるウォーゲーム(ボードゲーム)「Conflict of Heroes」。一部のマニアな人たちには有名であるらしい本作ですが、最近、PC版が存在し、しかもDemo版(無料体験版)が存在することまで知ってしまったので、プレイしてみました。


 

そもそも「Conflict of Heroes」って何よ?

play_example_01今回ご紹介するのはパソコンゲーム版ですが、Conflict of Heroesはもともとボード上の「ウォーゲーム」です。マップを描いたボード上で駒を動かしたり、ダイスを振ったりして、戦闘をシミュレーションするゲームですね。

(*画像は公式サイトより拝借)


 

ボードゲームの一種なわけですが、ルールがとても複雑で奥が深く、本格的な戦闘を再現できます。対面で話し合いながらプレイできるなど、電子ゲームとは違った良さもあるので、今でも一部で愛好家の集まりがあるようですね。

 

しかし、命中判定ですとか損害確定ですとか、電子ゲームならコンピューターが自動で処理してくれることを、ボードのウォーゲームは人間が手動で計算・記録しなければならず、はっきり言って面倒です。また、ルールが複雑で覚えにくいという欠点もあります。

 

そんな中で、このConflict of Heroesは、ルールが簡単で覚えやすく、作業もそれほど多くない、それでいて再現性にもそれなりの説得力があり、ゲームとして面白いという、手軽さと面白さが注目を集めたゲームです。

(なお、似たタイトルの有名なパソコンゲームに「Company of Heroes」というのがありますが、全く別のゲームで、関連性は一切ありません)

 

今回紹介するPCゲーム版では、普通に考えればより遊びやすくなったと言えるでしょうが、さて、どうでしょうか。

 

機関銃は、私の、最高の友達

coh_map

体験版には三つのシナリオが収録されています。そのうちの一つ目「Partisan」をプレイしてみましょう。

状況説明はめんどくさかったのでよく読んでいませんが(汗)どうやらソ連軍のパルチザン(破壊工作をする民兵みたいな?)が交通の要衝を押さえてしまったので、ドイツ軍の歩兵部隊が掃討する、という感じらしいです。


 

スクリーンショットで、マップ左端からドイツ軍が侵入。一方、ソ連軍は中央に三カ所に分かれた赤い斜線のエリアにそれぞれ配置されます。また、マップ右端中央から2ターン目にソ連軍の増援が、マップ右上隅から3ターン目にドイツ軍の増援が到着します。

制限時間は5ターンで、各ターン終了時に中央の交差点を占拠しているとVP(勝利点)が入るほか、相手部隊を壊滅させることによってもVPを得られます。5ターン目終了時にVPが多い方が勝ちです。

 

今回はドイツ軍側としてプレイします。ソ連軍はAIです。PC版の大きな特徴として、AIの搭載により、一人でも遊べるようになったことが挙げられますが、さて、AIの出来はどうでしょうか。ちなみに最高難度の「Expert」にセットしています。

ウォーゲームを含めたボードゲームは、対戦相手を探すのが意外と大変だったりするので、AIの出来が良ければそれだけで高評価なのですが。

 

 

coh_placement_e

分かりやすいように、マップを回転させてドイツ軍側を手前にしました。奥に向かって攻めていきます。

 

作戦はシンプルです。こちらの戦力は機関銃分隊✕2とライフル分隊✕2。機関銃分隊はライフル分隊と比べて射程が長く威力も大きいですが、接近戦には向いていません。


 

そこで、防御ボーナスを得られ、かつ見通しが良い左右の林に機関銃を配置。その制圧射撃で相手を牽制しつつ、二個ライフル分隊は中央の森を上手く遮蔽物として利用して、交差点に接近。必要なら接近戦を挑んで周囲を掃討します。

うーん。我ながら教科書どおり過ぎて面白みも何もない作戦だ。

 

それではゲームスタート。

作戦どおり、まずは機関銃を左右の林まで前進させます。なお、ボードゲーム版では、この際、まずユニットを指定して活性化を宣言し、その瞬間7ポイントのAP(アクションポイント)が割り振られて、それを使って移動や射撃を行います。が、一度他のユニットを活性化させると、前のユニットの活性化は終了しなければならず、残ったAPは無駄になってしまいます。

 

しかし、このPC版では、ターンの始めに全てのユニットに7APが割り振られ、自由な順番でユニットを動かすことができます。手番の概念は薄く、自分が1アクションしたら、相手も1アクションというように、交互に動かしていきます。よって、PC版ルールでは臨機射撃は存在しません。

 

これはなんともまあ大胆な改変ですが、ボードゲーム版で同じ事をやろうとしたら手間がかかり過ぎる一方、PC版では処理の必要がなく、かつこっちの方がそれなりにリアルで、待ち時間も少なくて済むので、これはこれで良いかもしれません。また、設定画面から、ボードゲーム版のルールを指定することもできます。

 

mg_shoot1さて、右翼の機関銃を前進させたところ、開闢地を移動中の敵ライフル分隊を発見。カモとばかりに射撃します。

この時、CAP(コマンドアクションポイント)を消費して命中率を高めます。CAPは毎ターン各陣営に割り振られるポイントで、消費することでユニットに追加のアクションを実行させたり、攻撃の命中率を高める(ダイスの目にプラス修正)などすることができます。

 

命中率72パーセントだったのですが、命中せず。残念。

さらにCAPを使用してもう一撃。が、失中。さい先の悪いスタートです。

soviet_squad_destroyed

右翼の機銃はAPを使い果たしてしまったので、続いて左翼の機銃を前進。すると、ちょうどいいところに敵ライフル分隊が飛び込んできました。

即座に二度射撃。一回目は失中しますが、二度目の射撃が見事命中、しかも一発で全滅判定です。


 

命中した場合の損害はランダムに決まる(二発目の命中で全滅する)のですが、一発全滅は珍しい。どうやらこれで遅れを取り戻せそうです。

ライフル分隊を交差点すぐ手前の森の中に潜ませて、第一ターンは終了です。

 

 

firefight

第二ターン。前進してくるライフル分隊に対し、我らが機関銃分隊が情け容赦ない無慈悲な一撃を加えます。が、全滅には追い込めません。

一方、その隙に別なライフル分隊が右翼から押し込んで来て、中央の我がライフル分隊を側面から攻撃し始めます。が、森の防御ボーナスのおかげで、こちらはそうそう命中しません。


 

逆に、我が右翼機関銃分隊の真っ正面に側面を晒した敵は、苛烈な銃撃を浴びせられ、わずか二回の射撃で蒸発。

 

敵の機関銃は左翼に配置されて、こちらの左翼機関銃を執拗に狙ってきますが、そうそう上手く当たるものではありません。

見ると、敵の機関銃とライフル分隊はAPを使い果たしています。突撃の好機です。

 

チャァァァァァジ!

少し悩みましたが、ライフル分隊を突撃させます。接近攻撃のボーナスを加えて、命中率は58パーセント。しかし二度とも外れ。

しかし、ここが天王山と、私はアクションカードをプレイ。アクションカードとは、手札からプレイすることで様々な恩恵を受けられるものです。今回はAP消費なしでアクションを行えるカードを使用。

 

charge

再度の攻撃はようやく命中。既に手傷を負っていた敵は壊滅しました。さらにCAPを消費してVP地点を奪取。そのまま、向かい側の林に逃げ込んで防御ボーナスを得ます。


 

敵の増援のライフル分隊が前線に到着しますが、ここで第2ターン終了。

 

第3ターン。味方増援の工兵分隊が敵後方から到着。工兵というより火炎放射兵みたいな感じなのか、射程は短いが威力の高い攻撃ができる兵で、防御ボーナスの高い場所に立てこもった敵を掃討するにはもってこいのユニットです。

 

敵はライフル分隊を二個展開させ、機関銃と共に、突出したこちらのライフル分隊に十字砲火を浴びせます。こちらの機関銃も援護射撃しますが、森や林にこもる敵にはなかなか命中せず。

銃撃のあまりの激しさに、ライフル分隊はダメージを受けます。が、すぐさま回復に成功(回復は5AP消費して一定以上の確率で成功)。

 

pioneer射撃でAPを使い果たした敵の後ろから、こちらの工兵が忍び寄ります。ここでCAPを投入して、機関銃を強襲。立て続けの攻撃で、あれだけ気を吐いていた機関銃は瞬く間に全滅。


 

第4ターン開始。こちらの機関銃がソビエト残存ライフル分隊に射撃し、ダメージを与えますが、相手もすぐさまアクションカードを使用して回復。ぐぬぬ。

 

銃撃戦になりますが、結局どちらも命中せず。しかし、APを使い果たしたところにぬっと現れる我が工兵。迷わず突撃を開始。

CAPだけでなく、アクションカードまで投入してAPを増強し、工兵は瞬く間に二個ライフル分隊を撃破。

 

というわけで、残り1ターンを残して、ソビエト軍部隊は全滅。終わってみれば、VPは10:1と、ドイツ軍の圧勝となったのでした。

 

面白いが、AIの出来が悪いのでは?

というわけで、簡単なルールでウォーゲームという、Conflict of Heroesの面白さがなかなか理解できるゲームでした。

 

しかし、これで難易度最高のExpertというのは、いくらなんでも弱すぎでしょう。それに、難易度を上げても、なんだか出てくる敵ユニットの数が水増しされているだけのような気がしてなりません……。

 

というわけで、Demo版をやった限りでは、AIとソロプレイするために買うのはおすすめできませんね。

ひょっとしてもしかすると、AIはボードゲーム版ルールに最適化されていて、PC版ルールでプレイしたから弱かったのかもしれませんが……うーん。そんな馬鹿な。

 

でも、ゲーム自体は面白いので、マルチプレイでの対人戦を前提に購入するなら、十分アリだと思います。

 

あ、最後に一つおまけ情報を。

 

matrix_games_cohこのゲームはマニアックなウォーゲームを多数売りだしている「Matrix Games」という会社が主な販売窓口になっていて、そこでのダウンロード版価格は2013/05/22現在「JPY 4499」、つまり日本円で4499円となっています。


 

 

slitherine_cohが、これまたマニアックなウォーゲームを多数開発している「Slitherine」のページに行くと、そこではほぼ間違いなく同じものと思われるゲームが、ダウンロード版で「29.99$」29.99ドル、つまり1ドル=100円換算で3000円で売っているのです。Matrix Gamesより1500円も安い!

 


 

 

えーっと、たぶんMatrix Gamesは販売元で、SlitherineはMatrixに販売を依頼している開発元だと思うんですが……販売元が主な窓口になる一方で、開発元も自社サイトで製品を売るというのは別におかしくも何ともないですけど、こんなに価格差があるというのは一体(汗)……。為替の影響なんでしょうか?